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アトピー性皮膚炎の脱ステロイドのメリットデメリットや注意点について解説

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[更新日]2022/12/17 699 -
アトピー性皮膚炎の脱ステロイドのメリットデメリットや注意点について解説

アトピー性皮膚炎の治療といえばステロイドを思い浮かべる方が多いでしょう。皮膚科医の中では、ステロイドを推奨する、しないで意見が分かれています。

アトピー性皮膚炎治療において脱ステロイドにどのようなメリットとデメリットがあるのか?注意していただきたいこともふくめて解説します。

アトピー性皮膚炎のステロイド治療について

アトピー性皮膚炎のステロイド治療について

「ステロイドは怖い薬」というイメージが強い方もいます。医師と相談して適切な強さのステロイド外用薬を選んで正しく使うことにより、副作用を回避した治療ができます。

ステロイド薬物療法の基本

1.ステロイド外用薬の強度、剤型は重症度に加え、個々の皮疹の部位と性状および年齢に応じて選択
2.ステロイド外用に際して注意すること

  • 顔面にはなるべく使用しない
  • 副作用は使用期間が長くなるにつれて起こりやすい
  • 種類と使用量をモニターする習慣をつける
  • 中止あるいは変更は医師の指示に従う
  • 急性増悪した場合は必要かつ十分に短期間使用する
  • 症状の程度に応じて、適宜ステロイドを含まない外用薬を使用する
  • 必要に応じて抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬を使用
  • 1~2週間をめどに重症度の評価を行い、治療薬の変更を検討する

3.ステロイド外用薬の主な副作用

  • 感染が起きやすい
  • 皮膚が薄くなり、萎縮しやすい
  • 皮膚の血管の壁が弱くなりやすい
  • 皮膚の脂の腺が活発になる 
  • アトピー性皮膚炎の脱ステロイドのメリット

    アトピー性皮膚炎の脱ステロイドのメリット

    ステロイドはどうしても避けたいという方に向けて、アトピー性皮膚炎における脱ステロイドをすることのメリットについて解説します。

    ステロイドは塗り続ける必要があるが、脱ステロイドすることで自己治癒力を高めることができる

    アトピー性皮膚炎に対して、ステロイドは症状を一時的に抑えるだけで根本治療になっていません。つまり、ステロイドは長期で使用しなければならないのです。

    脱ステロイドは最終的には根本治療を目指します。その人に合った治療法によって自己治癒力を引き出すことが目的です。
    脱ステロイドは特別なことではありません。ステロイド治療がなかった頃は普通だった治療法をあらためて見直したと考えてみましょう。

    長期ステロイドは副作用も大きくなる

    ステロイドを長期で使うデメリットは副作用が大きくなることです。耐性といって同じ強さのステロイドを使用しても効きが悪くなって、強いものに替えることもあります。
    ステロイド依存症になり、長期的にステロイドをやめられない状態こそがデメリットですね。

    アトピー性皮膚炎の脱ステロイドのデメリット

    アトピー性皮膚炎の脱ステロイドのデメリット

    アトピー性皮膚炎で脱ステロイドをすることにどのようなデメリットがあるのでしょうか?ここではデメリットにおける具体的な症状を解説します。

    リバウンドがある

    ステロイド治療中は皮膚の免疫細胞の活動(炎症)を抑えこんだ状態です。そのときに抑えこまれた免疫細胞が、脱ステロイドによって抑制が解かれて勢いよく活動を再開します。その結果、炎症が強くなって皮膚が破壊される一連の流れがリバウンドです。

    具体的には以下の症状があらわれます。

    • かゆみ
    • 落屑(らくせつ)
    • ヘルペス・カポジ水痘様症
    • 滲出液(しんしゅつえき)
    • 発熱
    • 悪漢・震え
    • 浮腫(むくみ)
    • 不眠
    • 強い不安

    など

    アトピー性皮膚炎の脱ステロイドの症状

    アトピー性皮膚炎の脱ステロイドの症状

    アトピー性皮膚炎の脱ステロイドのリバウンド期間はどれくらいあるのでしょうか?注意点についてもあわせて解説します。

    アトピー性皮膚炎脱ステロイドのリバウンド期間

    ステロイドを中止して数日でアトピー性皮膚炎の症状が悪化しますが、1か月程度で改善します。リバウンド症状がおさまるとそのまま、アトピー性皮膚炎が改善していくこともあります。

    アトピー性皮膚炎の脱ステロイドの注意点

    標準的なステロイド治療に比べて、脱ステロイド治療は治療期間が長引いた結果、治療費が高くなることがあります。安易に脱ステロイドをしたことで後悔しないためにもよく考えてからはじめましょう。

    また脱ステロイドをしていく中で、激しいリバウンド症状があらわれる場合があります。リバウンド症状で治療そのものが続けられないという場合には、一度ステロイドを使用して皮膚炎を落ち着かせます。その後あらためて脱ステロイド治療を試みるという流れです。

    脱ステロイドでの治療は患者さんによって変わるものです。ステロイドを使わないことは治療の幅が大きくなるとも言えます。

    一番してはいけないことは、自己流で脱ステロイドをしないこと。
    脱ステロイドに詳しい皮膚科医がいますので、一度相談してみることをおすすめします。

    ステロイドを使わない治療ができる病院で治療する

    藤澤皮膚科

    東京にある皮膚科です。ステロイド以外の治療も相談可能です。

    藤澤皮膚科

    阪南中央病院 皮膚科

    大阪にある皮膚科です。ステロイド以外の治療も相談可能です。

    阪南中央病院 皮膚科

    執筆者について
    プロフィール
    フリガナ: ワカヤマ ヒサト
    名前: 若山 尚登
    保有資格: 薬剤師、日病薬薬学認定薬剤師、YMAA認証マーク資格
    職業: 薬剤師
    経歴:薬学部卒業後、製薬会社にてMRを経験したのち、病院薬剤師へ転職。現在は病院薬剤師として働きつつ、医療ライターとして医療・薬に関わる記事の執筆に取り組んでいます。
    自己紹介: 自身の経験を生かした幅広い視野で、医療の現場を伝えていくことがモットーです。薬剤師としてだけではなく、一医療人として人々の健康に役立ちたいと日々勉強に励んでいます。
    ワカヤマ ヒサト

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