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アトピー性皮膚炎にコレクチム軟膏は効く?効かない人・副作用・免疫抑制作用・体験談も解説

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[掲載日]2025/04/08 8 -
アトピー性皮膚炎にコレクチム軟膏は効く?効かない人・副作用・免疫抑制作用・体験談も解説

アトピー性皮膚炎の治療にお悩みの方にとって、新しい治療薬の登場は常に気になる情報ですよね。

近年、選択的JAK(ヤヌスキナーゼ)阻害薬という新しい作用機序を持つ外用薬として登場した「コレクチム軟膏」は、その効果への期待が高まっています。

このコレクチム軟膏は、これまで一般的だったステロイド外用薬やタクロリムス軟膏とは異なるメカニズムで、アトピー性皮膚炎の炎症を抑えることが期待されています。

しかし、新しい薬であるだけに、「本当に効果があるのだろうか?」「自分には効くのだろうか?」「副作用はないのだろうか?」といった疑問や不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、そんな皆様の疑問や不安を解消するために、アトピー治療薬「コレクチム軟膏」について徹底的に解説します。効く人と効かない人の特徴、注意すべき副作用、免疫抑制作用の仕組み、そして実際に使用した方の体験談まで、幅広くご紹介することで、皆様がご自身の治療法を考える上で役立つ情報を提供できれば幸いです。

ぜひ最後までお読みいただき、コレクチム軟膏への理解を深めてください。

アトピー性皮膚炎に有効とされるコレクチム軟膏とは?

コレクチム軟膏とは?

コレクチム軟膏は、有効成分としてデルゴシチニブという物質を含む外用薬です。
このデルゴシチニブはJAK阻害薬と呼ばれる新しいタイプの薬剤に分類され、免疫抑制作用を持つことが特徴です。

私たちの体では、免疫細胞から炎症を引き起こす様々な物質(炎症性サイトカイン)が放出されます。
アトピー性皮膚炎では、これらの炎症性サイトカインが過剰に分泌されることで、皮膚にかゆみや赤みといった症状が現れます。コレクチム軟膏は、このJAKという酵素の働きを阻害することで、炎症性サイトカインの産生を抑え、結果としてアトピー性皮膚炎のつらいかゆみや赤みを軽減する効果が期待されています。

これまでアトピー性皮膚炎の治療には、主にステロイド外用薬やカルシニューリン阻害薬が用いられてきました。

コレクチム軟膏は、これらの薬剤とは異なる作用機序を持つ非ステロイド・非カルシニューリン系の外用薬として、新しい治療の選択肢として登場しました。

これにより、ステロイド外用薬の使用に抵抗がある方や、既存の治療薬で十分な効果が得られなかった方にとって、新たな希望となる可能性があります。

コレクチム軟膏とステロイド・プロトピックとの違い

アトピー性皮膚炎の治療には、症状や重症度に合わせて様々な外用薬が用いられます。
その中でも、よく知られているのがステロイド外用薬とプロトピック軟膏(タクロリムス軟膏)、そして近年登場したコレクチム軟膏(デルゴシチニブ)です。

これらは、炎症を抑えるという目的は同じですが、作用する仕組みや特徴が異なります。それぞれの違いを理解することで、ご自身の治療に役立てることができるでしょう。

ステロイド外用薬の特徴

ステロイド外用薬の特徴

作用と効果: ステロイド外用薬は、炎症を強力かつ速やかに抑える効果があります。
アトピー性皮膚炎による赤み、腫れ、かゆみなどの症状に対して、比較的短期間で効果を発揮するため、急性期の症状緩和によく用いられます。

メリット: 即効性があり、多くの皮膚症状に対して有効です。様々な強さの製剤があり、症状の程度に合わせて使い分けることができます。

デメリット: 長期間使用した場合や、強いランクのステロイドを広範囲に使用した場合などには、皮膚が薄くなる、血管が浮き出る、感染症のリスクが高まるなどの副作用のリスクがあります。
そのため、医師の指示に従い、適切な期間と部位に使用することが重要です。

プロトピック軟膏(タクロリムス軟膏)の特徴

プロトピック軟膏(タクロリムス軟膏)の特徴
作用と効果: プロトピック軟膏は、ステロイドとは異なるメカニズムで免疫反応を抑制し、炎症を抑える外用薬です。皮膚のT細胞という免疫細胞の活性化を抑えることで、アトピー性皮膚炎の症状を改善します。

メリット: ステロイドのような皮膚萎縮などの副作用が比較的少ないとされています。顔や首など、ステロイドの使用に慎重な部位にも使用しやすいという特徴があります。

デメリット: 使用初期にヒリヒリとした刺激感やかゆみを感じることがあります。また、まれに毛包炎や単純ヘルペスなどの感染症のリスクが報告されています。紫外線に対する感受性が高まる可能性があるため、使用中は紫外線対策が推奨されます。

コレクチム軟膏(デルゴシチニブ)の特徴

コレクチム軟膏(デルゴシチニブ)の特徴
作用と効果: コレクチム軟膏は、ステロイドやプロトピックとは全く異なるJAK(ヤヌスキナーゼ)という酵素の働きを阻害することで、炎症性サイトカインの産生を抑え、アトピー性皮膚炎の炎症を鎮めます。
JAKは、かゆみや炎症を引き起こす様々な物質のシグナル伝達に関わっており、その経路をブロックすることで効果を発揮します。

メリット: 非ステロイドであり、非カルシニューリン系の薬剤であるため、これらの薬剤とは異なる選択肢となります。既存の治療薬で効果が不十分だった場合や、副作用が懸念される場合に検討されることがあります。

デメリット: 比較的新しい薬であるため、長期的な安全性や効果については今後のデータ蓄積が必要です。また、効果の発現には個人差がある可能性があります。

アトピー性皮膚炎にコレクチム軟膏が効く人の特徴

症状が軽度〜中等度の方:
コレクチム軟膏は、比較的症状が落ち着いている段階の方や、中程度の炎症の方に適しています。

早期に治療を開始した方:
症状が悪化する前に使い始めることで、より効果を実感しやすい傾向があります。

炎症が強くない部位に使用する方:
皮膚のバリア機能が大きく損なわれていない部位の方が、薬の吸収が良く効果が出やすいと考えられます。

根気強く継続して使用できる方:
ステロイドのように即効性があるわけではないため、効果を実感するまである程度の期間、指示通りに塗り続けることが重要です。

アトピー性皮膚炎にコレクチム軟膏が効かない・効果を感じにくい人の特徴

症状が重症の方:
炎症が非常に強い場合は、コレクチム軟膏単独では効果が不十分なことがあります。ステロイド外用薬や他の免疫抑制剤との併用が必要となる場合があります。

すぐに効果を期待する方:
コレクチム軟膏は、効果が現れるまでに時間がかかることがあります。「塗ってすぐに良くなる」といった即効性を求める方には、効果を感じにくいかもしれません。

正しい使い方を守らない方:
塗る量や回数が適切でない場合、十分な効果が得られないことがあります。医師や薬剤師の指示を守って使用することが大切です。

他の治療を併用していない方:
アトピー性皮膚炎の治療は、薬だけに頼るのではなく、保湿ケアや生活習慣の改善も重要です。これらを併せて行うことで、コレクチム軟膏の効果も高まりやすくなります。

アレルギー体質の影響を受けやすい方:
アレルギーの原因物質や体質によっては、コレクチム軟膏よりも他の治療法の方が適している場合があります。

コレクチム軟膏を使用する上で重要なポイント

コレクチム軟膏の効果には個人差があります。上記はあくまで一般的な傾向であり、ご自身に合うかどうかは医師の診断と経過観察が重要です。

もし効果を感じられない場合は、自己判断で中断せずに、必ず医師に相談するようにしてください。医師は、症状の程度や経過を見ながら、最適な治療法を検討してくれます。

コレクチム軟膏を使用する際に知っておきたい副作用について

コレクチム軟膏は、アトピー性皮膚炎の炎症を抑える効果が期待される一方で、使用するにあたってはいくつかの副作用が報告されています。ここでは、主な副作用と、比較的まれに起こる可能性のある副作用について、詳しく解説します。

主なコレクチム軟膏の副作用(比較的よく見られる可能性のある症状)

コレクチム軟膏を塗布した部位に、以下のような症状が現れることがあります。これらの症状は、多くの場合軽度で一時的なものですが、気になる場合は医師や薬剤師に相談してください。

塗布部位のかゆみ: 塗った場所にかゆみを感じることがあります。
塗布部位の赤み: 塗った場所が赤くなることがあります。
塗布部位のヒリヒリ感: 塗った場所に軽い刺激感やヒリヒリとした痛みを感じることがあります。
ニキビのような発疹: 塗布部位に、ニキビに似た小さなブツブツができることがあります。

その他の報告されている副作用(比較的よく見られるものと、まれなもの)
臨床試験や使用後の報告では、上記以外にも以下のような副作用が確認されています。

よくある副作用:

  • 赤み(紅斑): 広範囲に赤みが出ることがあります。
  • かゆみ: 塗布部位だけでなく、全身にかゆみを感じることがあります。
  • 乾燥: 塗布部位の皮膚が乾燥することがあります。
  • 毛包炎: 毛穴に炎症が起こり、赤いブツブツや膿を持つことがあります。

まれな副作用

感染症のリスク上昇: コレクチム軟膏は免疫の働きを部分的に抑えるため、皮膚の細菌やウイルスの感染症(例えば、ヘルペスなど)のリスクがわずかに高まる可能性があります。

アレルギー反応: まれに、薬に対する過敏反応として、発疹、じんましん、かゆみ、腫れなどのアレルギー症状が現れることがあります。このような症状が現れた場合は、直ちに使用を中止し、医師の診察を受けてください。

重要な注意点

これらの副作用は、すべての人に起こるわけではありません。
症状の程度や現れ方には個人差があります。
もし、これらの症状が現れたり、悪化したりした場合は、自己判断で薬の使用を中止せず、必ず医師または薬剤師に相談してください。
医師は、副作用のリスクと治療のメリットを考慮して、患者さん一人ひとりに最適な治療法を選択します。
コレクチム軟膏を使用する際は、これらの情報を理解した上で、気になる症状があれば遠慮なく医療従事者に相談することが大切です。

コレクチム軟膏の注意すべき点

コレクチム軟膏は、アトピー性皮膚炎の症状改善に役立つ薬ですが、その効果を安全に得るためには、いくつかの重要な注意点があります。以下に、特に留意すべき点をまとめました。

免疫抑制作用と長期使用・体調変化への注意

コレクチム軟膏には、炎症を引き起こす免疫の働きを部分的に抑える作用があります。この作用により、かゆみや赤みなどの症状が緩和されますが、以下の点に注意が必要です。

長期使用について: 長期間にわたる使用は、予期せぬ影響が出る可能性も否定できません。自己判断で長期間使用せず、必ず医師の指示に従い、定期的な診察を受けるようにしてください。医師は、症状の経過や状態に合わせて、適切な使用期間や塗布範囲を判断します。

体調変化時について: 風邪や発熱、体調不良を感じた際は、必ず医師または薬剤師にその旨を伝えてください。免疫抑制作用により、感染症にかかりやすくなったり、症状が悪化したりする可能性があります。医師の指示に従い、適切な対応を取りましょう。

副作用が現れた場合・悪化した場合の対応

コレクチム軟膏の使用中に、かゆみ、赤み、ヒリヒリ感、ニキビのような発疹などの副作用があらわれ、これらの症状が続く、または悪化する場合には、決して自己判断で使用を中止せず、速やかに医師に相談してください。

医師は、症状の原因を特定し、必要に応じて薬の変更や対症療法などの適切な処置を行います。我慢したり、市販薬で対処したりせずに、専門家の判断を仰ぐことが大切です。

小児や妊娠中・授乳中の使用について

小児への使用: 小児の皮膚は大人よりもデリケートであり、薬の影響を受けやすい可能性があります。そのため、小児にコレクチム軟膏を使用する場合は、必ず医師の指導のもと、用法・用量を守って使用してください。
自己判断での使用は避けましょう。

妊娠中・授乳中の使用: 妊娠中または授乳中の方へのコレクチム軟膏の使用は、安全性に関する十分なデータがない場合があります。妊娠している可能性のある方、または妊娠中・授乳中の方は、必ず医師にその旨を伝え、医師の指導と判断に基づいて使用してください。 自己判断で使用することは非常に危険です。

その他の注意点

目の周囲への使用: 医師の指示がない限り、目の周囲への使用は避けてください。
他の外用薬との併用: 他の皮膚外用薬(市販薬を含む)を併用する場合は、事前に医師または薬剤師に相談してください。
直射日光: コレクチム軟膏の使用中に、日光過敏の症状が現れる可能性は低いと考えられていますが、念のため、過度な日光 は避けるように心がけましょう。

これらの注意点を守り、正しくコレクチム軟膏を使用することで、より安全かつ効果的にアトピー性皮膚炎の症状を管理することができます。ご不明な点や不安なことがあれば、遠慮なく医師や薬剤師に相談してください。

コレクチム軟膏体験談

コレクチム軟膏体験談
実際の声
長年悩んでいたアトピーの痒み、赤み、掻き傷、らくせつに、皮膚科で処方されたコレクチム軟膏を試してみました。初めて塗った時は、患部の赤みが引いたように感じ、期待が高まりました。しかし、数日後、今まで症状のなかった他の部位に強いかゆみや赤みが出始めたのです。

「良くなってきた?」と思った矢先の新たな症状に戸惑いつつも、指示通りに塗布を続けましたが、症状は悪化するばかり。不安になり使用を中止したところ、なんと以前よりも肌の状態が悪くなったように感じました。

私の場合、最初に効果を感じたものの、その後、かゆみや赤みが広がり、最終的には使用前より悪化してしまったため、残念ながら免疫を抑制してしまうコレクチム軟膏は合いませんでした。

今回の経験から、効果があるように感じても、全ての人に合うわけではないということを痛感しました。もし使用中に症状が悪化し、広がるような感覚があった場合は無理に使い続けず、すぐに医師に相談することが大切だと感じています。

ポイント

  • 効果があるように感じても、合わないケースもある
  • 症状が広がる・悪化する場合は、無理に続けず医師に相談
  • 全身のバランスや免疫反応に影響する可能性もあるため注意

アトピー肌の内側ケアには「アトクリア」サプリメントもおすすめ

アトピー性皮膚炎の改善には、外用療法に加え、内側からのアプローチも重要と考えられています。

「アトクリア」サプリメントは、腸内環境を整えるK2乳酸菌と、体の内側から潤いをサポートする低分子ヒアルロン酸を配合しています。これらの成分が、肌の健やかな状態を維持する一助となることが期待されています。

肌の土台を整える「K2乳酸菌」

腸内フローラのバランスは、肌の状態と深く関わっていることが知られています。腸内環境が乱れると、肌のバリア機能に影響を与える可能性も指摘されています。

K2乳酸菌は、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を良好に保つことをサポートします。
良好な腸内環境は、免疫機能や炎症反応に関与するとされており、アトピー性皮膚炎をはじめとする肌トラブルの緩和に寄与する可能性が示唆されています。

潤いを内側からサポートする「低分子ヒアルロン酸」

ヒアルロン酸は、皮膚の水分保持に重要な役割を果たす成分として広く知られています。低分子ヒアルロン酸は、その分子が小さいため、体内に吸収されやすく、効率的な保湿が期待できます。
体の内側から肌の水分保持能力を高めることで、乾燥によるかゆみや炎症といった不快感の軽減をサポートします。

「アトクリア」サプリメントが目指すこと
「アトクリア」サプリメントは、これらの成分をバランス良く配合することで、肌を内側から健やかに保つことを目指しています。特に、腸内環境を整えることは、敏感な肌や肌荒れにお悩みの方にとって、日々のケアに取り入れる価値があると考えられます。

ご理解いただきたいこと
サプリメントは食品であり、医薬品のような直接的な治療効果を謳うものではありません。体感には個人差があり、時間を要する場合もあります。ご自身の体調や症状に合わせて、用法・用量を守り、継続的に摂取することが大切です。
「アトクリア」サプリメントが、皆様の肌の健康維持の一助となれば幸いです。

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コレクチム軟膏まとめ

コレクチム軟膏は、JAK阻害薬という新しい作用機序を持つ外用薬として、アトピー性皮膚炎治療の選択肢の一つとなることが期待されています。

期待される効果と対象
軽度から中等度のアトピー性皮膚炎に対して、症状の改善効果が期待されています。しかしながら、重症の症状に対しては、単独での使用では十分な効果が得られない場合も考えられます。

使用にあたっての注意点
コレクチム軟膏の効果は、使用方法や個々の体質によって異なることがあります。そのため、使用に際しては医師の指示を遵守し、自身の状態を十分に観察しながら慎重に進めることが重要です。治療効果や安全性について疑問や不安がある場合は、必ず医師に相談してください。

アトピー性皮膚炎の治療には、体の内側からのケアも非常に重要です。

「アトクリア」のサプリメントは、腸内環境の改善と、体内からの保湿をサポートし、アトピーや敏感肌の方に効果的なアプローチを提供します。
ぜひ、内外のケアを両立させて、健やかな肌を目指しましょう。

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執筆者について
プロフィール
フリガナ: ワカヤマ ヒサト
名前: 若山 尚登
保有資格: 薬剤師、日病薬薬学認定薬剤師、YMAA認証マーク資格
職業: 薬剤師
経歴:薬学部卒業後、製薬会社にてMRを経験したのち、病院薬剤師へ転職。現在は病院薬剤師として働きつつ、医療ライターとして医療・薬に関わる記事の執筆に取り組んでいます。
自己紹介: 自身の経験を生かした幅広い視野で、医療の現場を伝えていくことがモットーです。薬剤師としてだけではなく、一医療人として人々の健康に役立ちたいと日々勉強に励んでいます。
ワカヤマ ヒサト

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