アトピー改善のための糖質制限の効果的な方法と注意すべきポイントをご紹介
[更新日]2024/06/02 305 -
1.アトピーと糖質制限の関連性
糖質がなぜアレルギーを起こすのか?
糖質の過剰摂取がアレルギー症状を悪化させるのは、副腎という臓器とコルチゾールというホルモンが関係していると考えられています。
副腎は、ストレスに対抗したり、体内の炎症を抑えたりする重要な役割を持つ臓器です。
副腎から分泌されるコルチゾールは、免疫システムを調節し、アレルギー反応を抑える働きをします。
しかし、糖質の過剰摂取や血糖値の乱れによって、コルチゾールの分泌量が減少してしまう可能性があります。
そのメカニズムは以下の通りです。
- ①糖質が多い食事をすると、血糖値を下げようとインスリンというホルモンが大量に分泌されます。
- ②インスリンによって血糖値が急激に下がると、脳は危険を察知し、防御反応として副腎からコルチゾールを分泌します。
- ③しかし、糖質の摂りすぎや血糖値の乱れが続くと、インスリンによる血糖値の乱降下が1日に何回も繰り返されることになります。
- ④その結果、副腎に負担がかかり、コルチゾールの分泌量が減ってしまうのです。
コルチゾールの分泌量が減ると、免疫システムがうまく働かなくなり、アレルギー症状が悪化してしまうと考えられています。
アトピーなどのアレルギー症状を改善するためには、糖質の過剰摂取に注意することが大切です。
小麦や糖質が腸に与える影響とは?
小麦と糖質は、私たちの食生活において重要な役割を果たしますが、同時に腸内環境に大きな影響を与えることが分かっています。
ここでは、小麦と糖質が腸に与える影響について詳しく解説します。
小麦
小麦に含まれるグルテンは、一部の人にとって消化吸収が難しい成分です。グルテンが十分に消化吸収されない場合、以下のような症状を引き起こす可能性があります。
- 消化器症状(腹痛、下痢、便秘など)
- 腸内環境の悪化
- セリアック病(自己免疫疾患)
グルテンフリーの食事は、グルテンによる消化器症状や腸内環境の悪化を改善するのに役立ちます。
糖質
糖質は、善玉菌だけでなく悪玉菌のエサにもなります。糖質の過剰摂取は、腸内環境の悪化や悪玉菌の増加を招き、以下のような問題を引き起こす可能性があります。
- 腸内環境の悪化
- 悪玉菌の増加
- 肥満
- 糖尿病などの生活習慣病のリスク上昇
糖質制限は、腸内環境を整え、肥満や生活習慣病予防に効果的な方法です。
グルテンフリーと糖質制限は、腸内環境を整えるために重要なキーワードです。
注意点として、グルテンフリーによる食物繊維不足で便秘になることがありますので、野菜やフルーツで補いましょう。
2. 糖質制限の注意点:健康を守るためのガイド
高タンパク質ばかりの食事は、腎機能を悪化させる
腎臓への負担を減らすために
糖質制限において、タンパク質摂取量が多すぎると、腎臓への負担が大きくなります。
腎臓は血液中の老廃物をろ過して尿として排泄する役割を担っていますが、タンパク質を分解代謝する過程で発生する老廃物「窒素化合物」は、腎臓にとって大きな負担となります。
適切なタンパク質摂取量
一般的に、適切なタンパク質摂取量は、1kg体重あたり1.0〜1.3gと言われています。しかし、これはあくまでも目安であり、腎機能の状態によって異なります。
腎機能が低下している場合は、医師と相談しながら、適切なタンパク質摂取量を調整する必要があります。
高タンパク質食の継続におけるポイント
- 腎機能を定期的に検査する: 腎機能が低下していないか、定期的に検査を受けましょう。
- 医師や管理栄養士に相談する: 適切なタンパク質摂取量や食事内容について、医師や管理栄養士に相談しましょう。
- 植物性タンパク質を積極的に摂取する: 肉類や魚介類だけでなく、大豆製品やナッツ類など、植物性タンパク質も積極的に摂取しましょう。
- 水分を十分に摂取する: 水分を十分に摂取することで、老廃物を体外に排出するのを助けます。
- 体調に変化を感じたらすぐに医師に相談する: 体調に変化を感じたら、すぐに医師に相談しましょう。
3.アトピー向け糖質制限食事プラン
アトピー改善のための糖質制限メニュー:栄養バランスに注目
アトピー性皮膚炎の症状悪化を防ぐには、血糖値の乱れを抑制する食事が重要です。
ポイントは以下の3つです。
①低糖質・高タンパク質を意識しよう
ご飯やパンなどの主食は糖質が多く含まれているので、控えめにし、おかずをしっかり食べましょう。
肉、魚、卵などのタンパク質は糖質制限で不足しがちなエネルギーを補い、肌の健康にも役立ちます。
②血糖値の上昇をゆるやかにする食べ方
食事の最初に食物繊維豊富な野菜やタンパク質を、最後に糖質の多いご飯やパンを食べましょう。
この順番で食べると、糖の吸収がゆっくりになり、血糖値の急上昇を防ぎます。
③1日の糖質摂取量の目安
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると、1日の推定エネルギー必要量が2,000kcalの場合、糖質の摂取量は250〜325gが目安です。
これらのポイントを参考に、血糖値の乱れを抑え、アトピー症状の悪化を防ぎましょう。
その他、役立つ情報
- 血糖値を上げやすい食品:白米、白パン、菓子類、ジュースなど
- 血糖値を上げにくい食品:玄米、野菜、きのこ、海藻、豆類など
- 食物繊維が豊富な食品:キャベツ、ブロッコリー、きのこ、海藻類、こんにゃくなど
上手に食事をコントロールすることで、アトピー症状の改善だけでなく、生活の質向上にもつながります。ぜひ、今日から実践してみましょう。
1日の糖質制限食事メニュー例
朝食
・主食:カリフラワーライスまたはオートミール(30g)
・主菜:焼き魚(鮭、鯖、アジなど)または卵料理(ゆで卵、目玉焼きなど)
・副菜:納豆、アボガド、味噌汁
・その他:ヨーグルト(無糖)、ナッツ類
昼食
・主食:糖質カット麺を使った焼きそば
・主菜:鶏むね肉のソテー
・副菜: 野菜たっぷりサラダ(レタス、トマト、きゅうり、ブロッコリーなど)、きのこのマリネ
・その他: スープ
夕食
・主食:玄米ご飯(50g)
・主菜:鮭のムニエル、豆腐ハンバーグ
・副菜: ほうれん草とベーコンの炒め物、ひじきの煮物
・その他:野菜たっぷり味噌汁
間食
・米粉パン、米粉クッキーなど
これらのポイントを参考に、血糖値をコントロールし、アトピー症状の改善を目指しましょう。
4.アトピー患者の糖質制限体験談
「実際に試した!アトピー患者による糖質制限の体験談」
このブログの運営者は、幼少期からアトピーで、藤澤皮膚科の藤澤先生から糖質制限ケトン体ダイエットを教えてもらう。
結論;糖質を何も取らない極端な糖質制限は疲労が溜まる、出費がかさむ、老化が進むので、おすすめしない。緩やかな糖質制限がおすすめ。
個人的には、和食中心であれば、良いと考えている。
小麦や甘いものを食べたい時は、アトピーが悪化していない時に、少量チートデイを設ける、小麦を米粉、そば粉などに置き換える、乳製品を豆乳、オーツミルクに置き換えるなどして管理するのが、健康にもコスパ的にもよく長続きします。
グルテンフリー、カゼインフリーの生活を心がけると自然とケトン体質になり、血液検査でもケトンダイエットを行う前と後では数値に大きな変化が見受けられました。
通常のダイエットとは異なり、長期的に行うものなので、無理なく続けられる形で行うのが継続するコツです。
ケトン体のメリットとその測定:血液検査でケトン体の数値を知ることができる
ケトン体って?
ケトン体は、体脂肪を燃焼させてできるエネルギー源です。まるで、脂肪を燃やして灯油を作り、それで車やストーブを動かすようなイメージです。
なぜケトン体がアトピー患者さんに良いの?
・体脂肪を燃焼:アトピー患者さんは、体脂肪が多い傾向があります。ケトン体を使って体脂肪を燃焼することで、体脂肪を減らし、アトピー症状の改善に役立つ可能性があります。
・血糖値を安定:糖質が多い食事は、血糖値を急上昇させ、アトピー症状を悪化させる可能性があります。ケトン体体質になると、糖質の代わりに脂肪をエネルギー源とするため、血糖値が安定しやすくなります。
・脳のエネルギー源:脳は、ブドウ糖という糖質をエネルギー源として利用します。しかし、ケトン体も脳のエネルギー源として利用できます。ケトン体体質になると、脳のエネルギー代謝が改善し、アトピー症状の改善に繋がる可能性があります。
血液検査でわかるケトン体とは?
血液検査で測定できるケトン体は、主に3種類あります。
- アセトン: 揮発性が高いため、息で排出されることもあります
- β-ヒドロキシ酪酸: 主要なケトン体です
- アセト酢酸: 血液中に蓄積されます
ケトン体の値は、主に以下の2つの方法で調べることができます。
・尿検査:簡単にできますが、精度が低く、尿量の影響を受けます。
・血液検査: 尿検査よりも精度が高く、ケトン体の種類ごとの値を知ることができます。
血液検査でケトン体の値を調べる目的としては、以下のようなものがあります。
・糖尿病の診断・治療経過観察: 糖尿病が悪化すると、ケトン体が血液中に蓄積され、ケトアシドーシスという重篤な状態になることがあります。血液検査でケトン体の値を測定することで、ケトアシドーシスのリスクを判断することができます。
・ダイエットの効果判定: 低炭水化物ダイエットなどでは、脂肪が分解されてケトン体が生成されます。血液検査でケトン体の値を測定することで、ダイエットの効果を判定することができます。
・その他: 脂肪肝、アルコール性肝障害、妊娠悪阻など、さまざまな疾患の診断や治療経過観察にも役立ちます。
血液検査でケトン体の値を測定することは、糖尿病の診断・治療経過観察や、ダイエットの効果判定など、様々な目的に役立ちます。値が高い場合や低い場合は、必ず医師に相談し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
5.糖質制限とアトピーに関する専門家インタビュー
「皮膚科医と栄養士が語る:糖質制限で変わるアトピーの未来」
ここで、アトピー治療の権威である藤澤先生の糖質制限に関するインタビュー記事を抜粋してご紹介します。
アトピー性皮膚炎:保湿をやめて乾燥させる「脱保湿」とは?
乾燥環境が、皮膚のステロイド産生を促進
研究によると、皮膚を乾燥させる環境は、表皮細胞のコルチゾール産生を増加させることがわかっています。これは、皮膚の炎症を抑えるステロイドの一種です。
アトピー改善に期待される脱保湿
1994年、佐藤健二医師はアトピー性皮膚炎の治療として保湿を中止する「脱保湿」を提唱しました。保湿をやめ乾燥させることで、皮膚の炎症を抑えるステロイドの産生を促し、アトピー改善を期待できます。
脱保湿と糖質制限でアトピー改善を目指す
近年では、脱保湿に加えて糖質制限を組み合わせることで、より効果的にアトピーが改善する可能性が示唆されています。糖質制限は、皮脂分泌を抑制し炎症を抑える効果があると考えられています。
脱保湿の注意点
脱保湿は、適切な方法で行うことが重要です。いきなり保湿を完全に中止すると、皮膚が乾燥しすぎて悪化する可能性があります。医師の指導のもと、徐々に保湿を減らしていくようにしましょう。
まとめ
脱保湿+糖質制限は、アトピー性皮膚炎の治療法として近年注目されています。保湿をやめ乾燥させることで、皮膚のステロイド産生を促進し、アトピー改善を期待できます。脱保湿を行う際は、医師の指導のもと、適切な方法で行うことが重要です。
6.サプリメントによる腸内環境の改善方法
「サプリメントで腸内環境を整える:健康な腸で健康な体を」
アトクリア紹介
アトピー改善と腸内環境改善を同時に叶えるK-2乳酸菌サプリ「アトクリア」
アトピー性皮膚炎にお悩みの方、朗報です!
「アトクリア」は、アトピー改善に効果的な「K-2乳酸菌」と「ECM・E(食べるヒアルロン酸)」を配合した、腸内環境を整えながらアトピー症状を改善するサプリメントです。
K-2乳酸菌は、ヨーグルト20個分の量が配合されており、腸内環境改善と免疫力向上に効果を発揮します。
グルテンフリー・カゼインフリーです。
ECM・Eは、吸収力が高く、お肌の潤いを平均2週間で実感できる即効性のあるヒアルロン酸です。
アトクリアは、アトピー症状だけでなく、便秘や下痢などの消化器症状も改善し、健康的な体づくりをサポートします。
腸内環境を整えることで、アレルギー症状の緩和にも効果が期待できます。
アトクリアは、アトピー性皮膚炎で糖質制限と同時に腸内環境を整えたい方や健康的な体づくりを目指したい方にもおすすめです。
Amazonからご購入可能です。
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執筆者について
プロフィール
フリガナ: ワカヤマ ヒサト
名前: 若山 尚登
保有資格: 薬剤師、日病薬薬学認定薬剤師、YMAA認証マーク資格
職業: 薬剤師
経歴:薬学部卒業後、製薬会社にてMRを経験したのち、病院薬剤師へ転職。現在は病院薬剤師として働きつつ、医療ライターとして医療・薬に関わる記事の執筆に取り組んでいます。
自己紹介: 自身の経験を生かした幅広い視野で、医療の現場を伝えていくことがモットーです。薬剤師としてだけではなく、一医療人として人々の健康に役立ちたいと日々勉強に励んでいます。